20代女性、”親知らず”の抜歯をしました
近年、日本人の顎は小さくなり、下顎の”親知らず”は萌出せず、歯茎の中で埋もれたままになっているケースが多くなりました。歯茎の中で萌出しないまま横向きの状態であることが多く、この状態を水平埋伏歯と言います。ちなみに”親知らず”の正式名称は「智歯(ちし)」。18歳から24歳の頃に生えることから”親知らず”と呼ばれます。
この”親知らず”のそば、下顎骨の下方には下歯槽管と呼ばれる神経や血管が入った管があり、そこを傷つけると大事故になります。その為に、一般の歯科医院では”親知らず”の抜歯が必要なケースでは、大学病院などの口腔外科を紹介することが多くなります。
今日の患者さんは、”親知らず”の抜歯希望で来院されました。他院で抜けなかったということで、抜歯途中の状態での来院です。パノラマレントゲンで見ると下歯槽管と重なっているように見えますが・・・。青の矢印が”親知らず”、黄色の線が下歯槽管です。
念のためにCTレントゲンでも確認すると、実は重なっていませんでした。パノラマレントゲンでは二次元での診断となり、正確な診断が難しいため、今回のような難症例ではCTによる三次元的な診査診断が必要です。
青の矢印が”親知らず”の根っこのところ、黄色の丸が下歯槽管です。
抜歯に掛かった時間は20分程。スムーズに抜け、患者さんもびっくりされていました。とはいっても、やはり難しいケースは、ドリーム歯科クリニックでも大学病院などの口腔外科を紹介することにしています。